1870年代
フランス
ウォルナット
W110cm D55cm H172.5cm木目が美しく、茶色がまぶしいウォルナット。花瓶に活けられた花々を描いたきめ細やかな象嵌細工。装飾を抑え、直線と均衡を重んじるルイ16世様式でまとめられ、特注でつくられたミラーバックキャビネットです。
ルイ15世の時代(18世紀前期~後期)に見られた曲線的なフォルムが特徴のロココ様式から代わって、ルイ16世の時代(18世紀後期)には直線的でシンプルなフォルムが特徴のネオクラシズム(新古典主義)様式の家具が流行し、それはナポレオンの時代(19世紀前期)まで続きました。直線的でシンプルなデザインながら、引き出しと扉の前面に余すところなく象嵌細工を施し、当時の職人が手間をかけて丁寧に仕上げたのであろうことが伺えます。ウォルナットは木質が堅く、家具の構造材として秀逸です。ウォルナットの明るい茶色の色味はお部屋に飾るだけで温かく、優雅な気持ちにさせてくれます。随所に施されたリボンやメダル状の文様の金具も厳かで華やかな雰囲気を醸し出しています。下部キャビネットのトップには充分な厚みのある天然大理石が配され、大胆なマーブル模様はまさに貴族のお屋敷に飾るにふさわしい気品と豪華さを兼ね備えています。
こちらはミラートップキャビネットと2つセットでつくられた稀少な逸品です。機能面だけの収納家具としてではなく、それ自体が充分豪華なネオクラシカルなミラーバックキャビネット。ガラス扉の上部キャビネット部の全面ミラーは、中に飾る調度品を豪華に演出することでしょう。リビングに置いて、ショーケース部分にプレート等の陶磁器を並べてみてはいかがでしょうか。