リエージュ。オランダ、ドイツの国境近くにある、古い教会と石畳の街。オランダ、ドイツの国境近くに位置するため、「西ヨーロッパの十字路」と呼ばれたベルギーを代表する交易都市。華やかな国際都市であった反面、18世紀末までリエージュ司教領として司教が都市を支配した学術都市でもありました。聖職者や豪商達が数々の教会を建築させ、ヨーロッパ中から集まる建築家や装飾技術者は、リエージュに独自の文化を創りました。その影響から、この街からは優れた木彫職人や家具職人が排出されました。
そのリエージュによる、ダイニングルーム用に特注制作されたフルセットです。ダイニングテーブル椅子6脚セット、ツインによる2つのショーケース、ミラー。ダイニングルームに設えられた一式が、フランスの御邸よりそのもの見つかりました。
ベルギーレースの繊細さを彷彿とさせる、見事なデザインと手仕事。その格調高いたたずまいは、言葉を失います。
進歩的な国際都市であったリエージュの法律は、修学・就労など外国での活動に制限を課しませんでした。結果市民レベルの自由な知識・情報の交流が生まれ、リエージュ家具は、フランスのルイ16世スタイル、ロココ、新古典主義など様々な要素を取り入れます。多面的な美的様式は、やがて一つにまとまって優美で豪華な個性を持ち始めます。リエージュ家具は次第にヨーロッパ中で評判を呼び、各国の王侯貴族、ブルジョワの邸宅には、タペストリーや皮革に描かれた絵とともに、リエージュ家具が欠かせない要素として絢爛豪華に飾り付けられました。
リエージュの誇る家具製作技術を駆使して制作された本品。
当時の貴族のディナータイムが想起される、重厚感と華やかさを兼ね備えたダイニングルームフルセットです。