300年以上を誇るマイセン窯の歴史上最も有名な造形家であり、マイセン窯だけでなくヨーロッパの陶磁器の彫刻家として最も重要な芸術家であるヨハン・ヨハヒム・ケンドラー。本作品はその天才彫刻家ケンドラーの原型を基に制作された壁掛け用の一級品燭台です。マイセン窯の燭台は希少性が高く、その中でも特別な高級品として制作された壁掛け用の燭台は希少価値が非常に高いです。また、オリジナルのペア作品として現存するものはとりわけ貴重です。
究極の美ロココ様式による天使とロカイユ(貝殻)の壮麗な装飾とロココ絵画を代表するワトー絵画を基にした優雅な男女の雅宴画・・・王侯貴族の室内装飾を究極の域にまで演出するために制作された装飾芸術です。
貴族や宮廷人の典雅な風俗を詞的で情緒豊かに表現した作品である「雅宴画」の創始者ジャン・アントワーヌ・ワトー(1684-1721)。ロココ絵画の代名詞であるワトーの作品はルーブル美術館をはじめ世界中の名立たる城や美術館で展示されています。本作品に描かれている優雅な男女は、ワトー絵画を基にしてマイセン窯熟練の絵付師により描かれています。装飾芸術の黄金期である19世紀のマイセン窯を象徴する作品と言えるでしょう。
究極のインテリアとして知られるロココ様式。ロココとは、貝殻や岩石による岩を意味するロカイユに由来します。世界一の宮殿・ヴェルサイユ宮殿の室内装飾を代表する様式としても知られ、究極のインテリアとして18世紀にヨーロッパの王侯貴族に広まります。 本作品はその究極の美・ロココ様式による装飾です。トップのロカイユ装飾と可憐な天使、そして美しい花々の装飾・・・王侯貴族のための最高の調度品です。
マイセン窯だけでなくヨーロッパの陶磁器の彫刻家として最も重要な芸術家であるヨハン・ヨハヒム・ケンドラー(1706~1775年)。ケンドラーは1731年から1775年の40年以上に渡り、マイセン窯に所属し数々の名作を生み出しました。ケンドラーは、ドイツのアルンスドルフ近郊のフィッシュバッハで牧師の息子として生まれ、ギリシャ・ローマ神話についての英才教育を受け、知識を身につけます。25歳の時には、アウグスト強王(2世)から宮廷彫刻家とマイセン窯の原型師に任命されました。ケンドラーが如何に有望な彫刻家であったことを示しています。その数年後にはマイセン窯のモデルマイスターに就任し、マイセン窯の陶磁器製造の秘伝を会得している職人の称号であるアーケイニストにも認定されました。ケンドラーの最も卓越した功績は、後世に残る偉大な多くのモールド(金属の型)のデザインを行い、そのモールドの製造を監督し、鋳造された作品の品質を厳密に審査し完全な作品を製造したことです。 マイセン窯、そしてヨーロッパの磁器業界にとってモールド製造の全てに携わったケンドラーのモールドが、300年以上続くマイセン窯の礎を築いたと言っても過言ではありません。 本作品は、ロココ様式によるケンドラーの原型を基に制作された希少価値の高い壁掛け用燭台です。