エドワード&ロバート・・・ヴィクトリア女王にも家具を献上した、大英帝国時代の繁栄を象徴し、英国を代表する家具工房。エドワード&ロバートにより製作された家具は、世界最大級のコレクションを誇るヴィクトリア&アルバート国立博物館に、ヴィクトリア女王時代を象徴する逸品として今尚展示され、世界中の人々に感動を与え続けています。
その美しい佇まいが見るものを魅了する装飾家具。洗練美の極みであるネオクラシカル様式を体現した本品は、名工房エドワード&ロバートにより最高の材料と技術を駆使して製作された逸品です。
1845年にロンドンで設立した19世紀の英国を代表する名家具工房。ロバート・アダム、シェラトン、ヘップルホワイト等の18世紀を代表する建築家・家具デザイナーのネオクラシカル様式の意匠を基に独自のデザインを取り入れた家具が特徴。本品は、エドワード&ロバートを象徴するネオクラシカル様式による象嵌細工が施された装飾家具。
エドワード&ロバートならではの美しく繊細な象嵌細工。エドワード&ロバートは家具製作だけでなく、歴史的遺産である家具の美術品修復と改良も担っていた。第5代ボルトン公爵チャールズ・ポーレットのために製作された18世紀の家具に美しい象嵌細工を加え、新たなオリジナル家具を製作している。本品に見られる魅力的な草花の象嵌細工とオリジナルのスワンネックの取手はエドワード&ロバートの特徴である。
エドワード&ロバートは家具製作を行う上で木材に強いこだわりを持っていた。特に、高品質なマホガニー、バールウォルナットの美しい木目、明るい色合いの質の良いサテンウッドには最善なものを使用するように徹底していた。そのこだわり抜いた木材を使用し、卓越した技術を有する職人によりアートとして製作されたのが本品である。
エドワード&ロバートで製作された家具は、ヴィクトリア女王をはじめ王室や王侯貴族に献上されている。ヴィクトリア&アルバート国立博物館に、時代を象徴する逸品としてエドワード&ロバートによる家具が展示されている。同工房の家具が提供された主なクライアントは、最後のロシア皇帝・ニコライⅡ世、ケンブリッジ公、カンタベリー大主教、ヨーク大主教等。
ネオクラシカル(新古典主義)は、フランスを中心にヨーロッパで流行した芸術様式。18世紀前半にヘルクラネウムとポンペイの遺跡が発掘されたことをきっかけに、ヨーロッパでは古典的美意識が見直されるようになる。調和と均衡を重んじる古典に回帰し、近代的な洗練を加味することで新古典主義という美意識が構築される。本品は洗練美の極みと言われるネオクラシカル様式を体現した家具である。
ヴィクトリア女王時代を代表する家具工房であるエドワード&ロバートによる本品。光沢感ある最高品質のマホガニーが使用され、バレリーナがつま先立ちしているように美しいフォルムを形成。そして、気品高い高級木材サテンウッドをはじめとした厳選された木材によるアートと言える草花の象嵌細工。それらをさらに美しく引き立たせるスワンネックの取手、トップの緻密な装飾・・・時代を超えて、感動を与え続ける名品である。