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夢織が誇るCOMMODE・・・創業以来20年、当社代表の芸術に対する飽くなきこだわりで、数々の装飾芸術を追い求め、奔走して参りました。
その中で、特にこだわり続けた装飾家具があります・・・COMMODE・・・
そのこだわりは、現地ディーラーに上質なコモードを見つけて欲しいと常に依頼するほど徹底したものでした。
そうして出会うことができた大変珍しい逸品、1900年代フランス製ルイ14世様式のコモード。
太陽王、ルイ14世が生活したヴェルサイユ宮殿は、当時ヨーロッパの文化の中心であり流行の発信地でありました。美の粋を極めた宮殿内の、冬の湖面のように静謐に室内を映し出す大鏡の下に、あるいは、豪華な金細工の額で飾られた王族の肖像画の下に置かれたコモードは、荘厳な空間を創るのに欠かすことが出来ない装飾家具でありました。華麗で、力強く心揺さぶるフォルム。瞬く間にルイ14世様式のコモードは、世界中に広まりました。
それでは、家具を見ていきましょう。天板には、深いボルドー色の大理石が施されています。植物の葉脈のように広がる複雑な大理石の模様、マホガニーの赤みがかった琥珀色、ブロンズの抑制された輝き。それぞれの色彩が重なり合って、洗練された調和を保っています。
側面が描く立体的な曲線。曲線は、やがて外側に反り返る華奢な脚に完結します。そのダイナミックで優雅な姿は、まるで「生き物」がそこに存在しているかのようです。垂直に滑り落ちるマホガニーの濃い木目が、見事にS字型のうねりを強調し、野性的な姿を提示します。このフォルムは、ボンベ(Bombé)型と名付けられ、ルイ14世・その後のルイ15世様式に多く見られる魅力的な形状です。
左右の側面の繋ぎ部分には、太陽王ルイ14世をモチーフにしたブロンズ細工が施されています。太陽神アポロンは、王の象徴であり、力と再生を表すものでした。王の後頭部に、放射線状に太陽光線が描かれているのが特徴です。王の肖像の下には、エキゾチックな球体型のオイルランプが、永遠の炎で王の繁栄を賛美しています。
正面二段の引き出し。一面に、マホガニーの瘤(バール)の幻想的な木目が化粧張りされ、内側を明るい象嵌細工が長方形にトリミングしています。
中央には花に囲まれたロカイユ(岩)型の秘密めいた鍵穴。自然界に存在する曲線美を象徴するモチーフです。
左右には、何とも美しいブロンズ細工の取っ手。フランス王家の紋章である※フルール・ド・リスの中に刻まれた二人の美しい乙女の肖像を、左右からウロコ模様の三日月刀が繋げています。ルイ14世様式の家具には、オリンポスの神々や妖精など神話をモチーフにしたブロンズ細工が好んで使われていますが…陶然とたたずむ二人の乙女は、花の女神フローラと、豊穣の女神フィアナの化身でしょうか。左右に整列する乙女達のアラベスクが、うたかたの夢幻の世界へと誘惑します。引出下部に施された緞帳型のエプロン部分には、魔除けの怪人面。唐草が対称的に囲んでいます。
フランスだけに存在する、研ぎ澄まされ成熟した美意識が、家具の細部にちりばめられ、見る者をいつまでも美の余韻にひたらせます。
部屋の中央に置かれたコモード。堂々たる存在感で、空間全てを包み込み、悠然と全てを掌握しているかのようです。美が人間にもたらす、目に見えない大切な力…高揚感、陶酔、安らぎ、生への意欲…誰よりもそれらを理解し、味方につけ、荒れ果てた大地に光をもたらした、あの王のように。