ヨーロッパの貴族が、至高の時を過ごした空間……。広大な宮廷式庭園に囲まれた邸には、ほんものの贅沢を知る人々が、自らの美意識に叶った美しい調度品を宝石のように並べました。
フランスはルイフィリップ王の時代に制作された金箔貼サロンセット。ヨーロッパの名だたる名家には、必ずこの作品のような綴織りのサロンセットが飾られています。名家の証とも言える、華麗なロココによる室内装飾には欠かせないインテリアとして、このようなサロンセットは王侯貴族に愛されていました。見る者の眼を惹きつけて離さない、ヨーロッパ伝統の綴織りの見事な色彩と、金箔が貼られた椅子の優美なフォルム。淡く美しい色彩で表現された綴織りによる森の風景は、見る者の瞳を夢見がちにさせました。森のロマンスのサロンセット。ロココの時代から受け継がれた、在りし日のヨーロッパ貴族の生活を彩った、珠玉のお品です。