SOLD OUT |
1883年、ヨーロッパ屈指の工業国として目覚ましい経済発展を遂げたオーストリア、ウィーン。フランツ・ヨーゼフ帝の帝都大改造によって、ウィーンが近代都市として生まれ変わりつつありました。そして今まさに、ウィーン新市庁舎完成を祝した大舞踏会が始まろうとしていました。
タキシードの紳士たちが、煌びやかな宝石と最新流行のドレスを身にまとった貴婦人をエスコートして、ダンスが始まります。オーケストラの楽曲にのって色とりどりの花びらが開くようにドレスの裾がひらめき、夢のような世界が繰り広げられます。
人々は、ハプスブルグ帝国の繁栄のもと、平和と幸福に陶酔していました。
そのハプスブルグ家の繁栄を象徴する、オーストリアの首都ウィーンで制作されたディスプレーキャビネット。
芸術と文化が華開く帝都ウィーン。多民族国家ゆえ多様な文化が混在する中、高尚で審美的な芸術が萌芽した黄金時代……そんな華やかな時代から、時空を超えてかくも優雅なショーケースがやって来ました。ウィーンの上流階級の暮らしを写しだす装飾芸術品です。