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ルイ15世様式 ブロンズ象嵌コモード
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S2_0138

ヴァセリンウォールランプ

1900年頃

英国

ヴァセリンガラス

W28cm D33cm H30cm

19世紀を代表する芸術運動、アーツ&クラフツ。モリスが掲げた思想「生活と芸術の統合」に賛同した熱意ある作り手たちは、それまでのものとは一線を画した、アーティスティックな作品を生み出しました。このウォールランプは、まさにその変動の時代に作られたものです。アイアン部分や台座も全てオリジナルの状態で見つかった、大変貴重な逸品です。

フォルムは力強くシンプル。あるがままの自然の形を洗練された美に昇華させた、アーツ&クラフツらしいデザインです。ほころびかけの蕾を思わせる、ふっくらとしたシェードはヴァセリンガラス製。ほのかに光る独特の黄緑が特徴のガラスで、19世紀半ばから20世紀初頭までという短い生産期間のため、稀少価値が高く、このガラスだけを蒐集するコレクターもいるほどです。花弁の付け根を覆うアイアン部分はぽってりと丸い形。鎚跡もなくなめらかに仕上げられているのは、手間を惜しまずに作られた証です。刻まれた葉脈はシェードのストライプ模様と呼応し、金属とガラスという異なる素材を絶妙にマッチさせています。蕾を支える2本の茎はしなやかに弧を描き、大地に当たるブロンズ部分には、木で作られた台座まで取り付けるという手の凝りよう。無銘の作品ですが、素材の特性を十分に理解したうえでのデザインや、台座を付ける等の細やかな配慮には、作者のストイックで愛情ある制作姿勢が透けて見えます。

夜明け前の薄闇の時間帯に、ヴァセリンガラスは、独特の蛍光色を発すると言います。昼の光の下では壁掛けの彫刻のよう、暗くなり明かりを灯せば柔らかな光の照明、そして深い夜の青の中、ほのかに輝くヴァセリンの色合い……。さまざまに姿を変えるウォールランプは、ひとつの芸術作品として、お楽しみ頂けます。