今では稀少なクランベリーガラスに、天上の世界を思わせる清らかな光景をエッチングで描いたランタン型のシャンデリア。当時、キャンドルを灯すために作られたこのようなワイヤー式のシャンデリアは数も少なく、本品はコレクターから入手することができた大変貴重なものです。
爛漫と咲き誇るバラの園で戯れる愛らしい天使は、光を灯すとその表情が優しく浮かび上がり、見る者の心をそっと癒してくれます。金を用いて作られていたクランベリーガラスは、高級品として王侯貴族をはじめ上流階級の人々に愛されてきました。本品はそのガラスにさらに天使と薔薇のエッチング装飾を施すという、まさに貴族趣味を象徴する贅沢な逸品です。エッチングガラス特有の繊細さを醸し出すつや消しの質感、葉脈から天使の羽まで表現した細やかな描写、光を入れた時に生み出される陰影の美しさ・・・
まだ近代的な照明が発達していなかった時代において、このような照明は単に実用的なものではなく、夜の闇を照らす希望の光だったことでしょう。何かと気忙しい現代では、このような芸術的なシャンデリアのもと、心落ち着ける優雅なひと時を楽しまれてはいかがですか？