1890年代
英国
マホガニー
W137cm D64cm H165cm貴婦人の安らぎの場所、ドレッサー。本商品は、英国北部の貴族の邸(マナーハウス)の、貴婦人のベッドルームに置かれていました。英国史上最も豊かな時代、ヴィクトリア女王期の、貴族の生活を見守っていました。
横長い長方形のミラーは、様々な角度から身だしなみを整えるのに、大いに役立ってくれます。ミラーは、オリジナル。支えになる部分には、大変細かい象嵌細工が施されています。優雅にくねる植物や花、また、ヨーロッパでは生命力の象徴として尊ばれている花瓶の象嵌。ペイントされているかと見間違えるほどの丁寧さです。全体に高級木材マホガニーが化粧張りされ、赤味がかった褐色が、落ち着いた印象を与えます。
幅137センチ、高さ165センチ。ゆったりとした奥行は、64センチ。香水瓶のコレクションや、おしろい用のパフ入れを並べても、手元のスペースは、ゆったりと保たれます。以前の所有者は、時には優雅に手紙もしたためたかもしれません。9つある引出も、それぞれ広々とスペースが取られ、お化粧道具ばかりではなく、宝石箱や、便せんや封筒、扇のコレクション、手袋のコレクション………貴婦人の心を満たす品々が収められていたに違いありません。引出を四角くトリミングする象嵌は、古典的な風格を演出します。すっきりとした直線的な脚の先には、オリジナルのキャスターが装着されていて、華奢な足元に可憐なアクセントを加えます。
一日の始まりに、今日の香水やルージュを選び、自分自身と向き合える場所。一日の終わりには、お気に入りの毛の長いブラシでゆっくりと髪をとかし、のんびりと一日を振り返りながら、安らかな眠りにつく準備をする場所。世紀末の貴婦人が愉しんだ時間が、ここに再現されます。