1775年、ジョージ3世から「クラウン」を、1890年にはヴィクトリア女王より「ロイヤル」の称号を与えられた、英国を代表する名窯ロイヤル・クラウン・ダービー。このプレートは100年以上前に制作されたもので、その豪華な金彩と繊細な絵付けは、まさに英国王室に愛されてきたダービー社を物語る格調の高さを湛えています。

1800年代後半、貴族の間で一世を風靡した「イマリ」シリーズは、ダービー社の名を世界に知らしめた代表作品ですが、本品はフランスのロココの華やかさを体現した装飾の美しさに魅せられます。水彩画のように描かれた花々のペイントは、柄違いで4枚あり、そのふっくらとした愛らしいバラの表情に、絵付け師の技術の高さがうかがえます。縁取りはガドルーン・シェイプと呼ばれるひだ状の刻みが施されており、たっぷりと塗られた金彩の状態の良さにも目を見張ります。また、コバルトブルーと磁肌の白を活かしたデザインは、煌びやかさの中に清楚で上品な雰囲気を与えています。

可憐な花たちの絵付けでは英国随一と定評のあるダービーのプレートは、額絵を飾るようにお部屋に飾って鑑賞されてはいかがでしょうか。英国王室が誇る名窯の逸品は、日々の暮らしの中で美しいものを愛でる喜びを与えてくれるでしょう。