1910年代
フランス
カメオガラス
W10cm D12cm H37cm夕焼けに染まる花畑を舞う蝶・・・どこか懐かしい叙情的な風景に、自然と心が癒されるテーブルランプは、アール・ヌーヴォー期の作家ミューラーの作品です。他のテーブルランプとは一線を画す小振りでスマートな造形美に心奪わます。シェードと土台部分にMuller Fres(ミューラー兄弟)Luneville(ミューラー工房があったフランスの地、リュネヴィーユ)のサインが記されています。
ミューラー兄弟は巨匠エミール・ガレの工房でその技術やアール・ヌーヴォーの精神を学びました。このシェードもカメオ彫りを用い、大地(土台部分)から空(シェード上部)に至る自然界がここに表現されています。灯かりを点けると、シェード一面にオレンジ色の夕焼け空が広がり、そこには、のどかに花畑を舞う蝶の姿が、その羽根まで繊細に描かれています。
作家ミューラーの生命に対する温かいまなざしが感じられるテーブルランプ。それはお部屋の中にいながら、自然の美しさに触れた時と同様の感動を呼び起こしてくれます。単に照明としての役割を越え、大切に継承して頂きたい美術作品です。