風そよぐ自然の中で、小鳥のさえずり、バイオリンの音色が心に響いてくる、稀少にもペアで見つかったエッチングガラス。季節は新緑の頃でしょうか・・・光があたると浮かび上がる絵画のような美の世界に目を奪われます。
バイオリンを弾く女性は古代ギリシャ時代に見られるキトン（一枚の布でできた貫頭衣）を身にまとい、どこか古典的な雰囲気を醸し出しています。その衣装のひだの質感、そして木の葉や小鳥の羽まで丁寧に、繊細な技法で描かれています。四隅のフルールドリス（ユリの紋章）はこのエッチングを一枚の額絵のように見せ、格調の高さを与えています。
貴族趣味の音楽をテーマに優美に装飾されたエッチングは、華麗な家具等で設えられたお屋敷で使われていたものであることをうかがわせます。
ペアで見つかることは稀であり、新築や改築などの機会に室内に取り入れたら、エレガントな空間を創り出し、フランスの風を運んできてくれるでしょう。