1920年代
フランス
ブロンズ
ヴィトリフィカシオン
W22.5cm H42cmアイアンの土台部分に「ナンシーの光」(les Lumières de Nancy)というサインが彫られたドームのテーブルランプ。フランス東北部の都市ナンシーは、ドーム兄弟にも多大な影響を与えた巨匠エミール・ガレを代表とする芸術家集団ナンシー派を生み出した地で、19世紀末~20世紀初頭にかけて、歴史的な美術工芸作品がこの地で制作されました。
色ガラスの粉を付着させて素地になじませるヴィトリフィカシオンの技法で制作されたシェードは、明かりを入れた時に、白から朱色のグラデーションのバランスが、炎の揺らめきを表現したように見え、その淡い灯の美しさに、ドームの芸術性の高さを感じます。またドーム工房では、積極的に外のデザイナーや画家を迎え共同作品を制作しました。特に家具作家マジョレルに金具を依頼したランプも作っており、このアイアンに見られる有機的なラインや葉脈の細かな線などは、マジョレルの家具のラインを想起させ、ドーム工房がいかに卓越した職人を擁していたかをうかがわせます。
当時ナンシーの地で創作活動に情熱を傾けたアーティストによって制作されたドーム社製のテーブルランプ。そこから放たれる柔らかなオレンジ色の光は、お部屋をそっと優しく包み込んでくれることでしょう。
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