1880年代
フランス
W99cm D46cm H98cmヨーロッパ宮廷あこがれのヴェルサイユ宮殿。その主・ルイ14世お抱えの家具作家、アンドレ・シャルル・ブールが、装飾性の高い家具、コモードを作り出しました。
その継承者ルイ15世統治の時代に、コモードはさらに華やかなものへと発展していきます。
ご紹介するこちらのコモードは、その華麗なルイ15世様式を体現し、格調高さを備えた稀少な逸品です。
贅をきわめた部屋の中心に据えられるコモードは、曲線中心のデザインで芸術性高く、当時の腕利きの職人たちの様々な技術が集結して完成された、代表的なフランス家具です。
前面の引き出し部分の象嵌は、可憐な花と葉のデザインが繊細で美しく、取手部分のブロンズ装飾と一体となっています。
その意匠は、チェンバロの軽やかで華やかな音いろとリズム感を、彷彿とさせます。
そして両サイドは一面に、まろやかな曲線を描く化粧張り板材に、優しいラインの花の美しい象嵌が、果物の木やその他様々な木材で、みごとにほどこされています。その美しい象嵌細工に、見惚れてしまいます。
少し離れたところから全体をみると、コモードのアウトラインと3つの引き出しそれぞれのまわりは、ローズウッドでふちどられ、その深い色合いが、引き出し部分の柔らかさとコントラストを生み、優美なだけでなく力強さも併せもつ逸品となっています。
それは、チェンバロが奏でる華麗で重厚な響きを、思い起こさせます。
この格調高い装飾家具を設えれば、きらびやかな往時の空気がよみがえります。
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