1900年代
英国
マホガニー
W116cm D43cm H173.5cm日本人の心に染みる、今尚色褪せず斬新な意匠のキャビネット。英国家具の伝統に、自然界の美しさを部屋の中に取り入れる日本芸術の特徴が発揮された、芸術作品と呼ぶに相応しい逸品です。
惹きつけられるほど美しいアシンメトリー(非対称)のデザインに、明るい赤味がかった上質のマホガニー材が格調高さを演出しています。ミラーの前部を散形花序のような花が気品高く象嵌され、それと呼応するようにミラーの横にも、彫刻と象嵌が芸術性高く装飾されています。ミラーの下の扉に装飾された絵画のように綺麗な象嵌細工は本品の象徴です。銅による三つ葉の象嵌細工が美しさを引き立てます。日本の襖を思わせるショーケース部の格子状のガラスは、ステンドグラスのように一枚一枚丁寧に嵌めこまれています。見えないところまで手を抜かずにこだわり抜いてつくり上げる、日本の美術工芸品に見られる匠の業が本品に息づいています。
当時の時代の最先端を走る新しいデザインには、家具全体から手仕事のあたたかさが感じられ、遠い1900年を、なぜか親しく空想してしまいます。時の忘れ物のように、美しい装飾家具。美は、永遠に損なわれることなく見る者の中にも生き続けます。
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