1840年代
英国
陶磁器
W・ティーカップ 幅13cm ・コーヒーカップ 幅11.5cm ・ソーサー 直径15.5cm D・ティーカップ 奥行10.5cm・コーヒーカップ 奥行8.5cmcm H・ティーカップ 高さ5.5cm・コーヒーカップ 高さ7cmそよ風に揺られた小ぶりの野薔薇が、ぽとりとカップの中に落ちたかのような、情緒豊かな絵付け。1795年に創立した英国名窯のひとつ、コールポートは、優れた絵付職人を擁し、ハンドペイントの高品質な品を作り出しました。その技術は、フランス陶磁器の最高峰、セーブルにも影響を及ぼしたと言われています。
野に咲く小さな薔薇の花。かたくとじた蕾、ほころびかけの様子、満開に咲いた姿、それぞれが生き生きと描き分けられています。花びらのピンク色は、卓越した筆遣いで優しい濃淡をつけられ、茎や葉は鮮やかさをおさえた淡いグリーン。随所に施された金彩が華を添え、温かみのある白磁とあいまって、上品な美しさを放っています。特徴的なカップのシェイプは、アデレード・シェイプと呼ばれるもの。1830年〜1840年頃のコールポートの、代表的なカップのデザインで、その名はイギリス国王ウィリアム4世王妃アデレードに由来しています。
アーリーイングリッシュと呼ばれるこの時代特有の絵付け、磁器の雰囲気は温かみがあり、見る者の心を落ちつかせます。オリジナルのものは、もはやアンティークでしか目にすることはできません。春うららかな英国の庭園を彷彿とさせるこちらのカップにお茶を注いでいただければ、当時のような優雅なティータイムを過ごしていただけます。