1860年代
英国
ウォルナット
W152cm D50cm H190cmルネサンス以来、貴族のダイニングルームに欠かせない室内装飾品、クレデンザ。トップの華麗な彫刻、収納部にあるバール(木瑠)杢の化粧張り・象嵌など一流の職人の手によりつくられた、英国がもっとも華やいでいたヴィクトリア女王治世時代を象徴する装飾家具です。
トップのパルメットから両脇に伸びる、四角い唐草のような文様と葉のうねりの彫刻。ミラーの両脇には擬宝珠彫刻もあり、気品あふれる細工が随所に見られます。白い見事な大理石をはさんで、その下には、稀少価値の高いウォルナットのバール杢による化粧張り。そこに生命を謳歌するように生き生きとした曲線が印象的な草花の象嵌細工が施されており、途方もなく手間を掛けて制作されていることがわかります。
シャンデリア、部屋全体の室内装飾を映り込ませるために大きなミラーを構えます。150年以上前のものですが状態が非常に良く、本品が映える御邸のためにつくられ、長らく大切に飾られていたことがうかがえます。荘厳な英国マナーハウス(貴族の館)の設えを彷彿さる装飾家具です。