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ベルギー王室御用達クリスタルガラス、Val Saint Lambert・・・
13世紀建立のシトー派修道院の名称を由来に持つその神聖な響きに、神に仕える修道僧と美の道を極めんとしたガラス職人たちの姿が重なります・・・
そのヴァル・サン・ランベール社の作品の中でも特に稀少なヴァセリンガラスのクリスタルベース。
錬金術は、金を人の手で創り出そうとした、人類最大の野望でした。
そして、クリスタルガラスも同様に、ダイヤモンドを人類の手で創り出そうとした、権力者たちの野望でした。飽くなき美の追求、それは生きることへの情熱そのもの・・・
このヴァル・サン・ランベールのベースも、そのような職人たちの美への憧れによって生み出された、宝石のような逸品です。アール・デコスタイルの鮮烈な色彩とシャープなデザイン、精巧なカットが創り出す万華鏡のような影絵、ベルギークリスタルガラスを牽引したヴァル・サン・ランベールの世界観がここに凝縮されています。
ヴァセリンガラスと色彩
まず、イエローとレッドという斬新な色彩に目を奪われます。
ヴァセリンガラス特有のこのイエロー、他のヴァセリンガラスとは一線を画す、深く澄んだ、透明度の高い輝きを放っています。紫外線を照射すると、写真のように鮮やかなグリーンの蛍光色に変貌します。ガラス生成時にウランを使用することから、現代ではこれほど発色の美しいヴァセリンガラスは作られていません。このベースのウラン濃度は非常に高かったのでしょう。アンティークの古いヴァセリンガラスになると、最大で25%ものウランを使用していました。
大胆なカット
ヴァル・サン・ランベールでは、デザイナーが「吹き手、整形、磨き、カット、仕上げ」の5人の職人を監督し、作品を作り上げるチーム制をとっています。純度の高いクリスタルガラスでも、カットの技術力によってその美しさは異なります。彫りの深さ、精密さなど、様々な要素が光の反射、屈折率を左右し、その光がクリスタルガラスに命を吹き込みます。このベースもヴァセリンガラスの素地に被せられたルビー色のガラスをカットし、アール・デコらしい幾何学的なスタイルに仕上げています。上部のピラミッドの形を縦横に並べたようなカッティング模様は、一つ一つのカットの4辺に、赤や黄色の光が反射し、間近で見ると息を呑むほどの美しさに言葉を失います。
メーカーズマーク
正面と底にオリジナルのフォイルラベルが残っており、底には「Val St Lambert P.V.」と刻まれています。ヴァル・サン・ランベールでは、品質ランク上位の作品以外は輸出しないという厳格な管理が今も行われています。
ガラスはまさに、科学と芸術を融合させることで人類が手に入れた、究極の美の世界です。
ベルギー王室御用達の最高級クリスタルガラスメーカーとして君臨するヴァル・サン・ランベールの作品は、世界の至宝として永遠の光を放ち、その作品に触れる全ての者を魅了続けることでしょう。