1900年代
英国
マホガニー
W122cm D57cm H161cm玉虫色に光るマザーパールの象嵌。直線と曲線とが織り成す左右対称のフォルム。名工房シェイプランド&ペター社で製作された英国アールヌーヴォーのドレッサーです。同社の中でも選りすぐりの職人によってつくられた本品から、装飾家具の真髄を味わうことができます。
ミラーの両脇と、向かって右下の扉一面を覆う象嵌細工には、勢いよく伸びる植物のつぼみや花、たくさん詰まった種子が描かれています。ドレッサーを彩る繁栄への願いに、象嵌の一部として使用されているマザーパールが華を添えます。木工象嵌だけでなく、マザーパールを薄く張る貝がらの象嵌も職人の技量が問われる技術です。現在では稀少なマホガニーの無垢材でできた構造体は、直線を多用しつつも、随所で柔らかな曲線が使われており、女性らしさが感じられる仕上りです。円形やしずく形の引き出し取っ手からもそのこだわりぶりが見てとれます。
重厚感溢れる佇まいの中にも、一貫して優雅さの漂うシェイプランド&ペター社のドレッサー。同じく英国アール・ヌーヴォーのチェアやスツールを合わせ、寝室を芸術性高く仕上げることで、今でも斬新な英国アール・ヌーヴォーの世界観を感じていただきたい逸品です。