細かいエナメル彩色が鮮やかなペアのステンドグラスは、或るフランスのお城から譲り受けた稀少な装飾芸術品。審美的で、典型的な貴族趣味のステンドグラスです。バルコニー越しの、お庭を臨む夢のような風景。窓を取り巻くカルトゥーシュ（装飾枠）やバルコニーには、古典的な葉模様アカンサスが描き込まれ、図柄に格調高い印象を加えています。窓の外に広がる、百花繚乱。、満開のバラ、しだれ落ちるつる草が淡い色合いで描かれています。目を惹くインクブルーの壺に、当時のヨーロッパでは稀少な東洋の花・朝顔。特に日本のものは、競って取引され、栽培されました。ルイ14世が愛した太陽光線のモチーフが描かれ、取手には左右に羊が描かれています。お城にふさわしい特注品として作られたステンドグラス。芸術を生活の中に取り込んで楽しむ貴族のライフスタイルを、今日に伝えます。